一般的に認められているティ−ツリーオイルの作用は、抗菌作用、抗真菌作用そして局所麻酔作用です。ベースがオイルですので、皮膚浸透作用や皮膚保護作用も当然持っております。オーストラリアの薬事法では、ティ−ツリーオイルは、抗菌剤として使用することが認められております。
最も抗菌力の高い成分は、テルピネン-4-オールですが、パラシメン、α-テル ピネン、γ-テルピネン、α-テルピネオールも抗菌力を持っております。各菌 に対する最低発育阻止濃度は、次のようになっております。
菌種 | 濃度% |
---|---|
グラム陽性菌 | |
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) | 0.2 |
表皮ブトウ球菌(Staphylococcus epidermidis) | 0.5 |
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae) | 0.25 |
大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis) | 0.8-2.5 |
化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes) | 1.0 |
無乳症連鎖球菌(Streptocpccus agalactiae) | 1.25 |
プロピオンバクテリウム菌(Propionibacterium acnes) | 0.4-0.75 |
溶血連鎖球菌ベータ型(Beta Streptococcus hemolyticus) | 0.5 |
セレウス菌(Bacillus cereus) | 0.3 |
枯草菌(Bacillus subtilis) | 0.3-0.4 |
コリネバクテリウム菌(Corynebacterium spp) | 0.2-0.3 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin resistant Staphylococus aureus) | 0.2-0.3 |
グラム陰性菌 | |
大腸菌(Escherichia coli) | 0.2 |
肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae) | 0.3 |
シトロバクター菌(Citrobactor spp) | 0.5-1.0 |
ゾンネ菌(Shigella sonnei) | 0.5 |
奇形変形菌(Proteus mirabilis) | 0.5-1.0 |
レジオネラ菌(Legionella spp) | 0.75-1.0 |
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) | 1.0-2.0 |
尋常変形菌(Proteus vulgaris) | 0.2-0.3 |
霊菌(Serratia marcescens) | 0.2-0.3 |
真菌 | |
毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes) | 0.3-0.4 |
猩紅白癬菌(Trichophyton rubrum) | 0.5-1.0 |
黒色麹菌(クロカビ)(Aspergillus niger) | 0.3-0.4 |
黄色麹菌(キカビ)(Aspergillus flavus) | 0.4-0.5 |
鵞口瘡カンジタ菌(Candida albicans) | 0.2 |
犬小胞子菌(Microsporum canis) | 1.00 |
石膏状小胞子菌(mycrosporum gypseum) | 1.00 |
尋常性ミクロモノスポラ菌(Micromonospora vulgarus) | 1.25 |
それでは、テルピネン-4-オールの濃度を高めたら抗菌力が増加するかと言いますと、 ティ−ツリーオイルの抗菌力は、それほど単純ではなく、試験結果からテルピネン -4-オールの濃度が増えますと緑膿菌、カンジタ菌、黄色ブドウ球菌、黒カビ菌に対 する抗菌力は増えますが、それも35%までで、それ以上濃度が増えても抗菌力は、増 加しません。一方、α-テルピネオールの濃度が増えますと逆に上記の菌に対する抗 菌力は減少し、逆に大腸菌に対する抗菌力は増加すると言った複雑な変化をします。
レモンセントティツリーオイルに関しては、広範囲の抗菌力試験はまだ行われていません。しかし、レモンセントティーツリーオイルは、黄色ブドウ球菌と大腸菌に対してはティーツリーオイルよりも高い抗菌活性があることが証明されています。弊社の試験でも、レモンセントティーツリーオイルの黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する抗菌力は、ティーツリーオイルの倍以上という結果が得られております。