アロエベラはどのように効くか

アロエベラの持つ薬効は、基本的に下剤としての作用と、傷を治したり炎症を取ったりする作用の二つであることはすでに説明しました。下剤としての作用をするのはアロインという物質で、通常我々が販売しているアロエベラ原料には含まれていません。よってここではアロエベラが持っている下剤作用以外の作用について述べていきます。

アロエベラには下剤以外の作用として、

などがあります。このように飲んでも効き、塗っても効くのがアロエベラの大きな特徴です。

アロエベラには、200以上の物質が存在しており、これらの複数の物質が相互協力的に作用して各種の効果を発揮していると考えられております。しかし、どの物質とどの物質がどのように作用しているかは、まだ十分ではありませんが明らかとなりつつあります。 各種研究から、アロエベラのいろいろな作用の中心的役割を演じているのは、多糖類であり、それも大部分を占めるアセチル化マンナンが重要であることが解ってきました。アセチル化マンナンはエースマンナン(Acemannan)とも呼ばれています。多糖類は、植物に普遍的に存在している炭水化物ですが、なぜアロエベラに含まれる多糖類が消炎作用などの薬効をもっているのでしょう。

アロエベラの作用規序(9KB)

アロエベラの多糖類の一方の端は、マンノースにリン酸塩が結合しています。もう一方の端には、タンパク質が結合しています。このマンノースのリン酸塩が、皮膚にある繊維芽細胞の受容体と引っ付きやすい形をしています。一般に言う鍵と鍵穴の関係にあります。やけどなどで皮膚組織が損傷を受けた場合、皮膚ではコラーゲンやプリテオグリカンを作り出す繊維芽細胞が増殖し、傷口をふさごうとします。アロエベラゲルに含まれるマンナンは、患部に存在する繊維芽細胞と結びついて、繊維芽細胞を刺激し、コラーゲンなどの産生を増大させ、早く傷口が治るようにします。


マンナンのもう一方の端に付いているタンパク質は、マンナンのリン酸塩を繊維芽細胞にひっつきやすくする働きを持っています。このタンパク質があるために、リン酸塩の付いている方だけが繊維芽細胞を引っ付くことが出来ます。

アロエベラに含まれる多糖類は、ムコ多糖と呼ばれています。ムコ多糖とは、一般にねばねばする物質のことを言います。アロエベラが傷つけられたとき、このねばねば物質が傷口をふさぐことで自身を外界から守っています。アロエベラを皮膚に塗った時に、このねばねば物質の多糖類が皮膚に膜を作ります。この膜は、傷口と外界を遮断する包帯の役目をしますので、傷口を保護することになり、傷の治りを早くします。

このムコ多糖と言う物質は、非常に水分を含みやすい性質を持っております。アロエベラを皮膚に塗りますと水分が多く含んでいる膜を皮膚に作ることになります。その膜から水分が皮膚の中に浸透していき、その結果皮膚の水分含量が上がり、みずみずしい皮膚になります。アロエベラが入っていると化粧品などに「天然の保湿成分であるアロエベラ」などと書かれていることがありますが、アロエベラは皮膚の水分を保つよりも一歩進んで、水分を補給する性質があるために、このように言われています。やけどにアロエベラが良いのは、この水分補給能力のため、患部の乾燥を防ぐために、多糖類の持つ、皮膚修復能力と水分補給能力の相乗効果により、早くやけどを治すことができます。

アロエベラジュースを飲みますと、当然多糖類は、皮膚の傷を治すのと同じ作用で胃腸の傷を治します。そのため胃潰瘍などに効果があります。ムコ多糖類の水分調節能力は、下痢気味の時は、腸内の余分な水分を吸収して取り、便秘の時は、適度の水分を腸内に供給して、下痢や便秘を治す、整腸作用をします。

この多糖類は我々が消化することが出来ませんので、そのままの形で血液中に入っていきます。血液中に入った多糖類は、マクロファージによって取り込まれ、破壊されてしまいますが、そのときウイルスなどに感染していますとそのウイルスに引っ付いてそのウイルスの活動を押さえてしまう作用があります。そのため、アロエベラを飲んでいると、ウイルスなどの感染症に対する抵抗力が増大します。

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